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SaaS企業50社のAI検索対応度を調査|構造化データ実装率はわずか21%

SaaS企業のWebサイトは、AI検索にどの程度対応できているのか?

気になったので、日本で事業展開するSaaS企業50社のWebサイトをAEO Checkで一括診断してみました。業界全体の傾向と、スコアの高いサイト・低いサイトの共通点を解説します。


調査概要

項目 内容
対象 日本で事業展開するSaaS企業50社
有効データ 47社(3社はサーバーエラー等で診断不可)
診断ツール AEO Check(7カテゴリ・100点満点)
診断対象 各社のトップページ
調査日 2026年5月1日

対象企業の選定方法

国内SaaS 44社と日本展開している外資SaaS 6社の計50社を選定しました。上場SaaS・未上場の有力スタートアップを含み、会計・HR・CRM・マーケティング・セキュリティ・業界特化DXなど幅広いセクターをカバーしています。

3社が診断不可でした(2社はサーバーエラー(HTTP 500)、1社はアクセスブロック)。以降の分析は有効47社のデータに基づきます。

トップページ診断の限界

今回はトップページのみを診断しています。AEO Checkはページ種別を自動判定し、トップページでは著者情報・公開日・質問形式の見出しなど記事向けの項目を評価対象外にします。そのため、ブログやヘルプセンターを充実させている企業でも、トップページのスコアには反映されません。

サイト全体の品質を評価したものではない点にご注意ください。


全体スコア:平均71.3点

指標
平均スコア 71.3点
中央値 73点
最高スコア 90点
最低スコア 50点
標準偏差 10.3

100点満点で平均71.3点。**70点未満の企業が20社(43%)**を占めており、業界全体として改善余地が大きい状況です。一方、**80点以上は12社(26%)**で、4社に1社はAI検索に十分対応できているレベルに達しています。

標準偏差10.3は、企業間のばらつきが大きいことを示しています。同じSaaS業界でも、対策の進み具合に明確な差があります。

スコア分布


グレード分布:A評価以上は25%

グレード 社数 割合
A+(90〜100点) 1社 2%
A(80〜89点) 11社 23%
B(70〜79点) 15社 32%
C(60〜69点) 13社 28%
D(50〜59点) 7社 15%

**B評価が最多(32%)**で、業界の中央値もB寄りです。一方、D評価が15%あり、AI検索への対応がほぼ手つかずの企業も一定数存在します。

グレード分布


カテゴリ別の達成率:構造化データが壊滅的

AEO Checkは7つのカテゴリでサイトを評価します。カテゴリ別の平均達成率を見ると、対応状況に大きな差があります。

カテゴリ 平均達成率 評価
AIクローラーアクセス 97% ◎ ほぼ全社が対応
テクニカルSEO基盤 86% ○ 概ね良好
権威性・信頼性 69% △ 改善余地あり
コンテンツ品質 66% △ 改善余地あり
コンテンツ構造 66% △ 改善余地あり
AEO対応 46% ✕ 半数以上が未対応
構造化データ 21% ✕ ほぼ未対応

カテゴリ別達成率

できていること:AIクローラーへのアクセス許可(97%)

robots.txtでAI検索用のクローラー(Googlebot、OAI-SearchBot、PerplexityBot等)をブロックしている企業はほぼありませんでした。SaaS企業はAI検索からの流入を歓迎する傾向が強いと言えます。

テクニカルSEO基盤(86%)も高水準です。meta description、OGPタグ、sitemap.xmlなどの基本的なSEO対策は、ほとんどの企業が実施済みです。

できていないこと:構造化データ(21%)とAEO対応(46%)

構造化データカテゴリの達成率はわずか21%。さらに深掘りすると、47社中28社(60%)が構造化データカテゴリ0点でした。JSON-LDが一切実装されていないサイトが過半数を占めています。

構造化データスコア 社数 割合
0点(完全未実装) 28社 60%
1〜5点 6社 13%
6〜10点 10社 21%
11点以上 3社 6%

構造化データは、AI検索エンジンがサイトの情報を正確に理解するための重要なシグナルです。Googleの公式ドキュメントでも実装を推奨しています。なお、トップページ診断のため、datePublished/dateModifiedやArticleスキーマは評価対象外です。差がついたのは主にOrganizationスキーマとBreadcrumbListの有無でした。

**AEO対応カテゴリ(46%)**も低い結果です。これにはllms.txtの設置、FAQ形式のコンテンツ、AIが引用しやすい簡潔な回答文などが含まれます。AI検索を意識した「攻め」の対策まで手が回っている企業は半数以下という状況です。


上位群と下位群の比較:何が差を生んでいるか

A評価以上(80点以上)の12社と、D評価(50〜59点)の7社で、カテゴリ別の達成率を比較しました。

カテゴリ A以上(12社) D(7社)
AIクローラーアクセス 98% 94% 4pt
テクニカルSEO基盤 98% 69% 29pt
構造化データ 46% 3% 43pt
コンテンツ品質 90% 48% 42pt
AEO対応 62% 35% 27pt
権威性・信頼性 94% 62% 32pt
コンテンツ構造 90% 49% 41pt

以下は、高スコアサイトの診断結果の例です(URLはぼかしています)。

高スコアの診断結果例(90点 A+)

最大の差:構造化データ(43ポイント差)

A群の構造化データ平均は6.4/14点、D群は0.4/14点。A群はOrganizationスキーマやBreadcrumbListを実装しているのに対し、D群はほぼ完全に未実装でした。

2番目の差:コンテンツ品質(42ポイント差)

トップページのmeta description、タイトルタグ、H1見出しの最適化に大きな差がありました。D群はmeta descriptionが未設定、またはテンプレート的な内容のままになっているケースが目立ちました。

3番目の差:コンテンツ構造(41ポイント差)

内部リンクの充実度、見出し階層の整理、リスト・テーブルの活用に差がありました。A群のトップページは、サービス説明が構造的に整理されている傾向がありました。

差が小さい項目:AIクローラーアクセス(4ポイント差)

AIクローラーへのアクセス許可は上位・下位ともに高水準で、ここでは差がつきませんでした。「ブロックしていない」だけでは差別化にならないということです。

以下は、低スコアサイトの診断結果の例です(URLはぼかしています)。

低スコアの診断結果例(50点 D)


SaaS企業が今すぐできる改善施策

この調査結果から、SaaS企業がAI検索対応度を上げるための優先順位が見えてきます。上位群と下位群の差が大きく、かつ実装工数が軽い施策から並べました。

施策 想定工数 影響カテゴリ 上位/下位の差
Organization JSON-LD追加 30分 構造化データ 43pt
BreadcrumbList JSON-LD追加 30分 構造化データ 43pt
meta description最適化 1時間 コンテンツ品質 42pt
H1見出しの最適化 30分 コンテンツ品質 42pt
会社概要・信頼性ページへのリンク整備 1時間 権威性・信頼性 32pt
FAQセクション追加+FAQPage JSON-LD 2〜3時間 AEO対応+構造化データ 27pt
llms.txt設置 30分 AEO対応 27pt

ステップ1:構造化データを実装する(達成率21%・差43pt → 改善インパクト最大)

60%の企業が0点だった構造化データは、最も改善インパクトが大きい項目です。トップページに効くのは以下の2つです。

  1. Organization — 会社名、ロゴ、連絡先、SNSリンク
  2. BreadcrumbList — パンくずリスト

どちらもJSON-LDをコピペで<head>に追加するだけで実装できます。実装方法は構造化データ完全ガイドを参照してください。

ステップ2:トップページのメタ情報を最適化する(差42pt)

meta descriptionとH1見出しの最適化は、工数が軽い割に効果が大きい施策です。「何のサービスか」「誰のためか」「何が解決できるか」を簡潔に伝える内容にしましょう。

ステップ3:信頼性シグナルを強化する(差32pt)

会社概要ページ、プライバシーポリシー、お問い合わせページへのリンクをフッターに配置します。これらの信頼性ページが存在し、トップページからリンクされていることが、権威性・信頼性カテゴリのスコアに影響します。


まとめ

項目 結果
平均スコア 71.3点(B寄りのC)
A評価以上 12社(26%)
70点未満 20社(43%)
最大の弱点 構造化データ(達成率21%、60%が0点)
上位/下位の最大差 構造化データカテゴリで43ポイント
強み AIクローラーアクセス(97%)、テクニカルSEO(86%)

SaaS業界全体として、基本的なSEOはできているが、AI検索に特化した対策はまだこれからという段階です。特に構造化データは60%の企業が完全未実装であり、今対策すれば競合に差をつけられるタイミングです。

自社サイトの現状を確認したい方は、AEO Checkで無料診断できます。


調査の注意点

  • 本調査はAEO Checkの診断ロジックに基づくものであり、実際のAI検索での表示順位を保証するものではありません
  • 各社のトップページのみを診断しています。ブログやヘルプセンターなどサイト全体の品質を評価したものではありません
  • トップページ診断のため、著者情報・公開日・質問形式の見出しなど記事向けの評価項目は対象外です
  • 診断結果は2026年5月1日時点のものです。各社のサイト更新により結果は変動します

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