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llms.txtとは?書き方・設置場所・テンプレートを解説

llms.txtは、AIにサイトの概要と重要ページを伝えることを目的としたMarkdownファイルです。llmstxt.orgがJeremy Howard氏を中心に2024年9月に提案し、開発者コミュニティで採用が広がっています。ただし正式な標準規格ではなく提案段階であり、主要AI企業が公式に参照しているかは未確認です。

この記事では、llms.txtの仕様・書き方・設置方法をテンプレート付きで解説します。「設置すればAIに引用される」と断定はできませんが、設置コストが低く将来の標準化に備える意味で、基本施策が完了しているサイトには導入を検討する価値があります。

自社サイトにllms.txtが正しく設置されているか確認したい方は、無料診断ツールで自動チェックできます。


llms.txtの仕様と目的

提案の背景

LLMはWebサイトの情報を活用しますが、コンテキストウィンドウのサイズ制限により、サイト全体を一度に処理できません。HTMLのナビゲーション、広告、JavaScriptを除去してプレーンテキストに変換する処理も不正確になりがちです。

llms.txtは、この問題を解決するためにサイトの要約と重要ページへのリンクを1ファイルにまとめる仕組みとして提案されました。robots.txtが「どこにアクセスしてよいか」を伝えるのに対し、llms.txtは「このサイトは何で、どのページが重要か」を伝えます。

提案者と経緯

llms.txtは、fast.ai共同創設者でKaggle元社長のJeremy Howard氏が2024年9月3日にllmstxt.orgで公開した提案です。Howard氏はディープラーニングの民主化で知られる研究者・教育者であり、LLMの実用上の課題(コンテキスト制限、HTML解析の不正確さ)を解決する軽量な仕組みとして提案しました。

公開後、開発者コミュニティで急速に採用が広がりました。2024年末時点でCloudflare、Anthropic(docs.anthropic.com)、Cursor等の技術企業が自社サイトにllms.txtを設置しています。ただし、これらの企業が「LLMの回答生成時にllms.txtを参照している」ことを意味するわけではなく、あくまで自社サイトの情報提供として設置している点に注意が必要です。

2025年に入り、llmstxt.orgのディレクトリには数百サイトが登録されていますが、W3CやIETFによる標準化の動きはなく、依然としてコミュニティ主導の提案にとどまっています。

仕様の現状

項目 内容
提案者 Jeremy Howard(fast.ai共同創設者)
公開日 2024年9月3日
標準化状況 提案段階(RFC・W3C標準ではない)
フォーマット Markdown
設置場所 サイトルート /llms.txt
関連ファイル /llms-full.txt(詳細版、任意)
採用企業例 Cloudflare、Anthropic、Cursor等(自社サイトへの設置)

類似ファイルとの比較

Webには「サイトのメタ情報を機械可読な形で提供する」ファイルが複数存在します。llms.txtはその系譜に位置づけられます。

ファイル 対象 役割 標準化 登場年
robots.txt クローラー クロールの許可/拒否 RFC 9309(正式標準) 1994年
sitemap.xml 検索エンジン 全ページ一覧の通知 sitemaps.org(正式標準) 2005年
humans.txt 人間 制作者情報の公開 humanstxt.org(慣習) 2010年
security.txt セキュリティ研究者 脆弱性報告先の案内 RFC 9116(正式標準) 2017年
llms.txt LLM サイト概要の案内 提案段階 2024年

humans.txtは「サイトを作った人間の情報」を伝える慣習的なファイルで、標準化はされていませんが広く認知されています。security.txtは当初コミュニティ提案でしたが、2022年にRFC 9116として正式標準化されました。llms.txtが同様の道を辿る可能性はありますが、現時点では不確定です。

llms.txtはrobots.txtやsitemap.xmlの代替ではなく、LLMがサイトを理解するための補助ファイルです。robots.txtが「アクセス制御」、sitemap.xmlが「ページ発見」を担うのに対し、llms.txtは「サイトの文脈理解」を助ける役割として提案されています。

robots.txtの設定方法はrobots.txt完全ガイドで、AIクローラーの許可設定はAIクローラー設定ガイドで解説しています。


設置場所と基本フォーマット

設置場所

llms.txtはサイトのルートディレクトリに配置します。

https://example.com/llms.txt

サブディレクトリ(/blog/llms.txt等)への配置も仕様上は許容されていますが、ルートへの配置が推奨です。

基本フォーマット

llms.txtはMarkdown形式で、以下の構造に従います。

# サイト名(H1、必須)

> サイトの概要説明(ブロック引用、任意)

追加の説明文(任意、見出し以外のMarkdown)

## セクション名(H2で区切る)

- [ページ名](URL): ページの説明
- [ページ名](URL): ページの説明

## Optional

- [補足ページ名](URL): 省略可能な補足情報

必須要素と任意要素

要素 必須/任意 説明
H1(サイト名) 必須 プロジェクトまたはサイトの名前
ブロック引用(概要) 任意 サイトの要約。残りのファイルを理解するための重要情報
説明文 任意 プロジェクトの詳細やファイルの解釈方法
H2セクション 任意 URLリストを含むセクション
## Optionalセクション 任意 短いコンテキストが必要な場合にスキップ可能なURL

記述のルール

  • リンクの形式: [表示名](URL): 説明 の形式で記述
  • 見出しとリンクを含めることで構造的な情報を提供
  • 簡潔で明確な言語を使用(専門用語は避けるか説明を添える)
  • 分量の目安は100語以上(短すぎるとサイトの概要として不十分)

ここまで読んで、自社サイトが気になった方へ

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コピペ用テンプレート5パターン

パターン1: コーポレートサイト

# 株式会社サンプル

> BtoB向けクラウド会計ソフトを提供するSaaS企業です。従業員50名以下の中小企業を主な顧客としています。

当社は2018年創業。クラウド会計「サンプル会計」を中心に、請求書発行・経費精算の3サービスを展開しています。

## サービス

- [サンプル会計](https://example.com/services/accounting): クラウド会計ソフト。仕訳自動化・銀行連携・確定申告対応
- [サンプル請求書](https://example.com/services/invoice): 請求書の作成・送付・入金管理を一元化
- [サンプル経費](https://example.com/services/expense): レシート撮影で経費精算を自動化

## 料金・導入情報

- [料金プラン](https://example.com/pricing): フリー・スタンダード・プロの3プラン。月額980円から
- [導入事例](https://example.com/cases): 業種別の導入事例50社以上
- [よくある質問](https://example.com/faq): 契約・機能・セキュリティに関するFAQ

## 会社情報

- [会社概要](https://example.com/about): 設立年・所在地・経営陣
- [お問い合わせ](https://example.com/contact): 営業・サポートへの連絡先

## Optional

- [開発者ブログ](https://example.com/blog): 技術記事・アップデート情報
- [API仕様書](https://example.com/docs/api): 外部連携用REST API

パターン2: ECサイト

# サンプルストア

> オーガニック食品と自然派コスメの通販サイトです。国内外の厳選商品を産地直送でお届けします。

取扱商品は食品500点以上、コスメ200点以上。全商品に成分表示と産地情報を掲載しています。送料は5,000円以上で無料です。

## 商品カテゴリ

- [オーガニック食品](https://example.com/categories/food): 有機野菜・果物・加工食品・調味料
- [自然派コスメ](https://example.com/categories/cosmetics): スキンケア・ヘアケア・ボディケア
- [ギフトセット](https://example.com/categories/gifts): 季節のギフト・お中元・お歳暮

## ショッピングガイド

- [送料・配送について](https://example.com/guide/shipping): 配送エリア・日数・送料一覧
- [返品・交換ポリシー](https://example.com/guide/returns): 返品条件と手続き方法
- [お支払い方法](https://example.com/guide/payment): クレジットカード・銀行振込・後払い対応

## 特集・読み物

- [オーガニック入門ガイド](https://example.com/magazine/organic-guide): 有機認証の種類と選び方
- [季節のおすすめ](https://example.com/magazine/seasonal): 旬の食材とレシピ

## Optional

- [生産者紹介](https://example.com/producers): 契約農家・メーカーの紹介
- [メディア掲載](https://example.com/press): 雑誌・テレビでの紹介実績

パターン3: ブログ・メディアサイト

# AI検索対策ラボ

> AI検索(ChatGPT、Perplexity、AI Overview)に自社サイトを表示させるための実践的な対策情報を発信するメディアです。

中小企業のWeb担当者・Web制作会社向けに、AI検索対策の具体的な手順とツールを提供しています。

## 主要コンテンツ

- [AI検索対策の基本ガイド](https://example.com/blog/ai-search-guide): AI検索の仕組みと7つの基本施策
- [構造化データの実装方法](https://example.com/blog/structured-data): JSON-LDの書き方とテスト方法
- [robots.txt設定ガイド](https://example.com/blog/robots-txt): AIクローラーの許可設定

## ツール

- [AI検索対応度診断](https://example.com/): 無料のスコアリングツール。7カテゴリで自動診断
- [スコアリング基準](https://example.com/about-scoring): 診断ロジックの詳細説明

## カテゴリ

- [技術実装](https://example.com/blog/category/technical): 構造化データ・robots.txt・llms.txt等
- [基礎知識](https://example.com/blog/category/basics): LLMO・AEO・GEOの解説

## Optional

- [用語集](https://example.com/glossary): AI検索関連の専門用語解説
- [更新履歴](https://example.com/changelog): サイトの更新情報

パターン4: SaaSツール

# TaskFlow

> チーム向けプロジェクト管理SaaS。タスク管理・ガントチャート・時間計測を1つのツールで提供します。

2020年リリース。導入企業3,000社以上。5名まで無料で利用可能。日本語・英語対応。

## 機能

- [タスク管理](https://taskflow.example.com/features/tasks): カンバン・リスト・カレンダー表示。サブタスク・依存関係・繰り返し設定対応
- [ガントチャート](https://taskflow.example.com/features/gantt): ドラッグ&ドロップでスケジュール調整。クリティカルパス表示
- [時間計測](https://taskflow.example.com/features/timetracking): ワンクリック計測。レポート自動生成・CSV出力
- [ダッシュボード](https://taskflow.example.com/features/dashboard): プロジェクト横断の進捗可視化

## 料金・導入

- [料金プラン](https://taskflow.example.com/pricing): Free(5名)・Pro(¥980/人/月)・Business(¥1,980/人/月)
- [導入事例](https://taskflow.example.com/cases): 業種別・規模別の活用事例
- [無料トライアル](https://taskflow.example.com/trial): 14日間全機能利用可能

## 開発者向け

- [API リファレンス](https://taskflow.example.com/docs/api): REST API。タスクCRUD・Webhook・OAuth2.0
- [連携一覧](https://taskflow.example.com/integrations): Slack・GitHub・Google Calendar等30以上の連携

## Optional

- [リリースノート](https://taskflow.example.com/changelog): 機能追加・改善の履歴
- [ステータスページ](https://status.taskflow.example.com/): サービス稼働状況

パターン5: ポートフォリオ・個人サイト

# 田中太郎 - Webエンジニア

> フルスタックWebエンジニア。React/Next.js/Node.jsを中心に、BtoB SaaSの設計・開発を専門としています。東京在住、フリーランス。

Web開発歴8年。スタートアップから上場企業まで15社以上のプロダクト開発に参画。設計から実装・運用まで一貫して対応します。

## 実績

- [プロジェクト一覧](https://tanaka.example.com/projects): 公開可能な開発実績。技術スタック・担当範囲・成果を記載
- [技術ブログ](https://tanaka.example.com/blog): Next.js・TypeScript・インフラ設計の技術記事

## スキル・経歴

- [スキルシート](https://tanaka.example.com/skills): 言語・フレームワーク・インフラ・ツールの一覧と経験年数
- [経歴](https://tanaka.example.com/career): 職歴・参画プロジェクトの時系列

## お仕事について

- [サービス内容](https://tanaka.example.com/services): 対応可能な業務範囲と料金目安
- [お問い合わせ](https://tanaka.example.com/contact): 案件相談・見積もり依頼

## Optional

- [登壇・執筆](https://tanaka.example.com/talks): カンファレンス登壇・技術書執筆の実績
- [GitHub](https://github.com/tanaka-example): OSS活動・個人プロジェクト

プラットフォーム別の設置方法

WordPress

方法1: FTPで直接配置(推奨)

# WordPressのルートディレクトリに配置
# /var/www/html/llms.txt または /public_html/llms.txt

FTPクライアントまたはファイルマネージャーで、WordPressのインストールディレクトリ直下にllms.txtをアップロードします。wp-content/の中ではなく、wp-config.phpと同じ階層に置いてください。

方法2: プラグインを使用

一部のSEOプラグイン(Rank Math等)がllms.txt管理機能を追加し始めています。ただし2026年5月時点では対応プラグインは限定的です。手動配置が確実です。

よくあるミス:

  • wp-content/uploads/llms.txtに配置してしまう → URLが/wp-content/uploads/llms.txtになり、ルートからアクセスできない
  • .htaccessのリライトルールがMarkdownファイルをブロックしている → AllowOverride設定を確認
  • セキュリティプラグイン(Wordfence等)が.txtファイルへのアクセスを制限している → ホワイトリストに追加

確認:

https://あなたのドメイン/llms.txt

ブラウザでアクセスし、Markdownの内容が表示されればOKです。HTMLとしてレンダリングされる場合は、テーマのルーティングが干渉している可能性があります。

Shopify

重要: Shopifyではドメインルート直下に任意のファイルを配置できません。 Shopifyのアーキテクチャ上、/llms.txtとして静的ファイルを直接ホスティングする標準的な方法は提供されていません。以下は代替手段ですが、いずれも制約があります。

方法1: URLリダイレクト(簡易的)

Shopify管理画面 → オンラインストア → メニュー → URLリダイレクトで、/llms.txtを固定ページにリダイレクトできます。ただしリダイレクト先はHTMLページとしてレンダリングされるため、純粋なテキストファイルとしては提供されません。

方法2: Liquidテンプレート + リダイレクト

  1. テーマのコード編集でtemplates/page.llms-txt.liquidを作成:
{% layout none %}{% comment %}llms.txt{% endcomment %}# {{ shop.name }}

> {{ shop.description }}

## 商品カテゴリ

{% for collection in collections limit:10 %}- [{{ collection.title }}]({{ shop.url }}/collections/{{ collection.handle }}): {{ collection.description | strip_html | truncate: 80 }}
{% endfor %}

## ショッピングガイド

- [お問い合わせ]({{ shop.url }}/pages/contact): お問い合わせフォーム
- [配送について]({{ shop.url }}/pages/shipping): 送料・配送日数
  1. 固定ページを作成し、上記テンプレートを適用
  2. URLリダイレクトで/llms.txt/pages/llms-txtを設定

制約: この方法でもContent-Typeはtext/htmlになります。{% layout none %}でHTMLラッパーは除去できますが、厳密にはtext/plainではありません。

方法3: Shopifyアプリを利用

llms.txt設置に対応したShopifyアプリが登場し始めています。アプリストアで「llms.txt」を検索してください。ただし2026年5月時点では選択肢が限られています。

方法4: カスタムドメインのサブパスをプロキシ

Cloudflare Workers等のエッジサービスを使い、/llms.txtへのリクエストを別のホスティング先(S3等)にプロキシする方法です。技術的には最も正確ですが、設定の複雑さが増します。

現実的な判断: Shopifyストアの場合、llms.txtの設置は優先度が低いです。構造化データ(Product、BreadcrumbList等)やrobots.txtの最適化を先に行い、llms.txtは仕様の標準化が進んでから対応しても遅くありません。

Next.js(App Router)

public/llms.txtに静的ファイルとして配置するのが最もシンプルです。

# プロジェクトルートの public/ に配置
echo "# サイト名
..." > public/llms.txt

動的に生成したい場合は、Route Handlerを使います。

// app/llms.txt/route.ts
export async function GET() {
  const content = `# サイト名

> サイトの概要説明

## 主要ページ

- [トップページ](https://example.com/): サービス概要
- [ブログ](https://example.com/blog): 技術記事一覧
`;

  return new Response(content, {
    headers: {
      'Content-Type': 'text/plain; charset=utf-8',
    },
  });
}

よくあるミス:

  • app/llms.txt/page.tsxとして作成してしまう → HTMLページとしてレンダリングされる。Route Handler(route.ts)を使うこと
  • SSG(output: 'export')でRoute Handlerを使おうとする → 静的エクスポートではRoute Handlerは動作しない。public/llms.txtに直接配置する
  • public/ではなくsrc/配下に置いてしまう → ビルド後の公開ディレクトリに含まれない

静的サイト(Hugo / Jekyll / Astro等)

ビルド時に公開ディレクトリにコピーされる場所に配置します。

フレームワーク 配置場所
Hugo static/llms.txt
Jekyll ルートに llms.txt(front matterなし)
Astro public/llms.txt
Gatsby static/llms.txt
Vite public/llms.txt
# 例: Hugoの場合
cat > static/llms.txt << 'EOF'
# サイト名

> サイトの概要

## 主要ページ

- [ホーム](https://example.com/): トップページ
- [ブログ](https://example.com/blog/): 記事一覧
EOF

効果と注意点

llms.txtで「できること」と「できないこと」

できること(期待される効果) できないこと(誤解されやすい点)
サイトの構造と概要をLLMに明示できる AI検索での引用を保証する
重要ページを優先的に案内できる 検索順位を直接向上させる
LLMのコンテキスト効率を改善する可能性がある robots.txtの代わりにクロール制御する
将来の標準化に先行対応する 現時点で全てのAIサービスに参照される
サイトの専門性・網羅性を構造的に示せる コンテンツの質の低さを補う
設置コストほぼゼロで試せる 他のSEO/AEO施策を代替する

期待できること

  • サイト構造の明示: LLMがサイトの全体像を把握しやすくなる可能性がある
  • 重要ページの優先提示: 多数のページの中から、特に読んでほしいページを指定できる
  • 将来の標準化への備え: 仕様が広く採用された場合に先行者優位を取れる可能性
  • 設置コストの低さ: テキストファイル1つで完了。メンテナンスも軽微

注意点(重要)

llms.txtは2026年5月時点で提案段階の仕様です。 以下の点を正確に理解してください。

  1. 正式な標準規格ではない: RFC等の標準化プロセスを経ていない。llmstxt.orgによるコミュニティ提案
  2. 主要AI企業の公式採用は未確認: OpenAI、Google、Anthropic、Perplexityがllms.txtを公式に参照しているという発表はない
  3. 効果の実証データがない: llms.txtの設置がAI検索での引用率を向上させるという公開データは存在しない
  4. Googleの公式見解: Google公式ドキュメントは「AI機能に表示されるために新しいAI専用ファイルは不要」と明記
  5. 過信は禁物: llms.txtだけでAI検索対策が完了するわけではない

現時点での採用状況

llms.txtの採用は技術企業・開発者コミュニティが中心です。一般企業での採用はまだ限定的です。

カテゴリ 採用状況 備考
技術ドキュメントサイト 比較的多い Cloudflare Docs、Anthropic Docs等
開発者ツール 増加中 Cursor、Mintlify等
一般企業サイト 少ない 認知度が低い
ECサイト ほぼなし プラットフォーム制約もある
日本語サイト 非常に少ない 情報自体が少ない

この状況は「まだ早い」とも「先行者優位を取れる」とも解釈できます。設置コストが低いため、基本施策が完了しているサイトであれば試す価値はあります。

優先順位の考え方

llms.txtの設置は、以下の基本施策が完了したに検討してください。

優先度 施策 効果の根拠
構造化データ(JSON-LD) Google公式推奨
robots.txtでAIクローラー許可 各社公式ドキュメント
E-E-A-T強化 Google品質評価ガイドライン
サイトマップ最適化 検索エンジン共通仕様
llms.txt設置 提案段階、効果未実証

llms.txtとrobots.txtの使い分け

llms.txtとrobots.txtは目的が異なるファイルですが、AI対策の文脈で混同されることがあります。それぞれの役割と使い分けを整理します。

根本的な違い

観点 robots.txt llms.txt
目的 アクセス制御(拒否/許可) 情報提供(案内)
対象 クローラー(Bot) LLM(AI)
強制力 業界標準として尊重される 参照するかはAI次第
不在時の影響 全ページクロール可能と解釈 特に影響なし
標準化 RFC 9309 提案段階

ユースケース別の判断

「AIクローラーにサイトを読ませたい」場合:

robots.txtで該当クローラーを許可(またはブロックしない)設定にします。llms.txtはこの目的には使えません。llms.txtを設置しても、robots.txtでブロックされていればクローラーはアクセスできません。

# robots.txt — AIクローラーを許可する例
User-agent: GPTBot
Allow: /

User-agent: ChatGPT-User
Allow: /

「AIに自社サイトの概要を正しく理解してほしい」場合:

llms.txtでサイトの構造と重要ページを案内します。robots.txtはこの目的には使えません(許可/拒否しか伝えられない)。

「特定ページだけAIに読ませたくない」場合:

robots.txtで該当パスをDisallowにします。llms.txtの## Optionalセクションに含めないだけでは、クロール自体は防げません。

# robots.txt — 特定パスをブロック
User-agent: GPTBot
Disallow: /internal/
Disallow: /draft/

両方設置する場合の整合性

robots.txtとllms.txtを両方設置する場合、矛盾がないように注意してください。

  • robots.txtでブロックしているページをllms.txtにリンクとして含めない
  • robots.txtで/llms.txt自体へのアクセスをブロックしない
  • AIクローラーを全面ブロックしている場合、llms.txtの効果は期待できない

推奨構成:

# robots.txt
User-agent: GPTBot
Allow: /llms.txt
Allow: /
Disallow: /admin/
Disallow: /internal/

llms.txtには/admin//internal/のページを含めず、公開ページのみをリストします。


設置後の確認方法

1. ブラウザで直接アクセス

https://あなたのドメイン/llms.txt

以下を確認してください:

  • HTTPステータスが200で返ること(404ではないこと)
  • Markdownの内容がそのまま表示されること
  • 文字化けがないこと(UTF-8で保存されているか)
  • リンクURLが正しいこと(クリックして遷移できるか)

2. Content-Typeの確認

curl -I https://あなたのドメイン/llms.txt

Content-Type: text/plain または text/markdown が返れば正常です。HTMLとして返される場合は、サーバー設定を確認してください。

3. AEO Checkで確認

AEO Check無料診断ツールでは、llms.txtに関して以下を自動チェックします:

※以下はAEO Check独自の評価基準であり、llms.txt仕様の一部ではありません。

  • 存在確認: /llms.txtにHTTP 200でアクセスできるか(1点)
  • 内容の充実度: 100語以上で見出し・リンクが含まれているか(+1点)

llms.txtは提案段階の仕様であるため、診断全体の配点は控えめに設定しています(最大2点)。ただし設置状況を客観的に確認する手段として活用できます。


よくある質問

llms.txtを設置すればChatGPTに引用されますか?

断定はできません。 llms.txtは提案段階の仕様であり、OpenAIがChatGPTの検索機能でllms.txtを公式に参照しているという発表はありません。ChatGPTに引用されるためには、コンテンツの質・E-E-A-T・構造化データ・robots.txtでのOAI-SearchBot許可など、複合的な要因が影響します。

llms.txtとllms-full.txtの違いは?

llms.txtはサイトの概要と主要ページリンクを記載する簡易版です。llms-full.txtは各ページの内容をインライン展開した詳細版として提案されています。まずはllms.txtから始めれば十分です。llms-full.txtはページ数が多い技術ドキュメントサイト等で有用です。

llms.txtの更新頻度はどのくらいが適切ですか?

サイト構造に大きな変更があった場合(新サービス追加、主要ページのURL変更等)に更新すれば十分です。日常的なブログ記事の追加程度では更新不要です。古い情報が残り続けるリスクがあるため、半年に一度は内容を確認してください。

日本語で書いても問題ありませんか?

問題ありません。llms.txtの仕様はUTF-8を前提としており、日本語での記述は有効です。サイトの主要言語で書くのが自然です。多言語サイトの場合は、主要言語で記述し、各言語版へのリンクを含める方法が考えられます。

robots.txtでAIクローラーをブロックしていてもllms.txtは意味がありますか?

robots.txtでクローラーをブロックしている場合、そのクローラーはllms.txtにもアクセスできない可能性が高いです。llms.txtを活用したい場合は、少なくとも/llms.txtへのアクセスは許可するか、AIクローラー自体を許可する設定が必要です。robots.txtの設定方法を確認してください。

llms.txtに書くべきページ数の目安は?

5〜15ページ程度が目安です。llms.txtの目的は「サイト全体の案内」であり、全ページを列挙するものではありません(それはsitemap.xmlの役割です)。サービスの核となるページ、よく参照される情報、サイトの専門性を示すコンテンツを厳選してください。ページ数が多すぎると、LLMのコンテキストウィンドウを圧迫し、本来の目的に反します。


まとめ

項目 内容
llms.txtとは LLMにサイト概要を伝えることを目的としたMarkdownファイル
設置場所 サイトルート /llms.txt
フォーマット Markdown(H1必須、リンクリスト推奨)
標準化状況 提案段階(正式標準ではない)
効果 未実証(過度な期待は禁物)
設置コスト 低い(テキストファイル1つ)
推奨度 基本施策完了後に設置を検討

llms.txtは「設置すればAIに引用される魔法のファイル」ではありません。しかし設置コストが極めて低く、将来の標準化に備える意味では合理的な選択です。構造化データ・robots.txt・E-E-A-Tの基本施策を先に整えた上で、補助的に設置してください。

自社サイトのAI検索対応状況を総合的に確認したい方は、無料診断ツールで7カテゴリの自動診断ができます。llms.txtの設置状況もチェック項目に含まれています。

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